2008年 8月25日発行(8月号)
その知らせがSMSで私たち夫婦に届いたのは、ルターの足跡が色濃く残るベルリンの南100kmの美しい古都、ヴィッテンベルグのルターホテルにてバラエティーに富む朝食を楽しんでいる時、毎夏、ヨーロッパの地で開かれる“ヨーロッパ・キリスト者の集い”に参加中とのことでした。
義理の息子のダニエル君から届いたSNSには、
Am 1. August 2008 sind wir nun Eltern geworden!! Jippieeee!
Unsere Tochter heisst Dilara Megumi. Sie ist unglaublich hübsch und ich bin wahnsinnig stolz,ihr Vater zu sein. Daniel Van Maaren
8月1日、私たち(長女ターニャと夫君ダニエル)は両親になりました!ジピィーーーー!(多分、喜びの叫び?)私たちの娘は,ディララ めぐみ といいます。僕は、父親となれたことにかぎりない誇りをおぼえています。 ダニエル ファン マーレン)と書かれており、父親となった喜びと誇りが小さなモニターから溢れ出てくるようでした。
「ぜひとも自分の子に日本名をつけたい」と、長女ターニャと夫君ダニーのみならず、タ−ニャの日本名“さくら”を大層気にいって呼びかける義両親も望んでいたので、私が提案した幾つかの候補から彼らは“めぐみ”を選んだわけです。奇しくも、今年のキリスト者の集いのテーマ”信仰のみ、聖書のみ、恵みのみ” マルティン・ルターからの“恵み” (Gnade、Gottes Gnade) のことばを,ルターが宗教改革を始めた地で知らされようとは夢にも思わなかったので、私たちはとうとう爺婆になってしまった喜びに加え、祝福を幾重にも受けている喜びを感じたものです。そして、それは同時に、私の胸には、31年前、北朝鮮に拉致されたままになっている横田めぐみさんのことがあり、横田早紀江さんが愛情を注いで育てた“めぐみ”ちゃんのように明るく素直に育ってほしい、また、2度とあのような悲劇がおきないようにと願いもこめて、長女たちに伝えた名前ですが、幸い二人ともとても気にいってくれたようで感謝しました。
このトピックスは、すぐに300人を越える世界からの参加者全員に知れ渡ることになり、私たちは数えきれないぐらい人々に祝福の握手をいただきましたが、我が子が誕生したときに受けた何十倍ものお祝いのことばをルターの地で受けることになりました。8月1日は,ご存知のようにスイスの建国記念日で、国中で花火をあげ、スイスの誕生を祝いますが、オランダ人の血が、2分の1、スイス人の血が4分の1、日本人の血が4分の1の幼子の誕生日がスイスと同一とは、とても象徴的で意味深いもののように思われたものでした。
8月に入り、東スイスはすでに秋の雰囲気さえ漂い始めましたが、東スイスネットワークの会員においては、楽しく善き夏休みをお過ごしになられましたでしょうか。新学年も始まり、お子様をお持ちの家庭では、緊張と期待と肩の荷を降ろしたような気持ちが交錯する日々であるかも知れません。子ども達が、良き先生に巡り会い、楽しい学校生活がおくれますようお祈りしております。
東スイスねっとわーく代表
松林幸二郎
ニュースレター目次
1. 第6回 OSN親善ボーリング大会のお知らせ
2. スイスインフォのジャーナリストによる3本の記事
3. OSNらいぶらり文庫の紹介
4. 「ピーターと狼」日本語版初演のご案内、および協賛・ご寄付のお願い
5. 心暖まるエピソード
6. 日本語初級講座のお知らせ
7. アルプスの露天風呂
8. 東スイスの花
9. 我が家のレシピ
10. 今月のジョーク
11. 今月のドイツ語諺
12. 伝言板
目次6~12は
ニュースレター70号②でご覧いただけます。
1. 第6回 OSN親善ボーリング大会のお知らせ
いよいよお待ちかねのボーリング大会の季節になりました。去年に引き続き、最新機材が好評だったラインタール・WIDNAU村のボーリング場にて開催いたします。汗を流した後の食事も去年と同様、新鮮な魚介類が評判のスパニッシュレストラン「CENTRO GALEGO VAL DO RHIN」にて行います。今年も豪華賞品を用意しております。みなさん、振るって参加してください。尚、13歳未満のお子様がボーリングされる場合、ガーター防止の柵を設置することが可能です。
【日時】
9月20日(土) 16時 ボーリング場 集合
【場所】
第一会場
BCR BOWLING CENTER RHEINTAL
Espenstrasse 139, 9443 Widnau
http://www.b-c-r.ch/
第二会場
CENTRO GALEGO VAL RHIN
Beim Hotel Metropol
Bahnhofstr.26、9443 Widnau
http://www.metropol-widnau.ch/centro-galego.html
【参加費用】
大人 約50フラン (9月初旬に決定します)
子供 約30フラン
参加費用は、ボーリング参加料、靴代、食事料金となります。
ボーリング会場、レストランでの飲み物代は含まれません。
【申し込み】
OSN事務局(osn.info@gmail.com)に9月7日(日)までに申し込みください。
*OSN事務局専用Eメールアドレスができました!
osn.info@gmail.com
2. スイスインフォのジャーナリストによる3本の記事
スイスに関する最新の情報を日本語で届けているSwissinfo.ch(
http://www.swissinfo.ch/jpn/index.html )のジャーナリスト佐藤夕美さんが、アッペンツェルについて精力的に取材され、3本のすばらしい記事にされました。いずれも、丹念な取材に裏付けられ、この土地に愛着を感じさせられる記事ですので、是非お読みになってください。
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アッペンツェル 吹き上げる水源地
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アッペンツェルのハーブ畑とヒーラー
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牛追いの絵の秘密
また、アッペンツェルの民族衣装を作る模様などを取材した日本語編集部オリジナルのビデオも発表されています。佐藤さんが、6月にアッペンツェルを集中取材された興味ある経緯は、記者ブログをご覧になってください。
http://blog.goo.ne.jp/sri2007
精力的そして緻密な取材で知られる佐藤さんは、東スイスねっとわーく代表の松林さんも記事にされていますので、こちら↓もご覧になってください。
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アッペンツェルで神を讃える
(画像はSwissinfo.chよりお借りいたしました。 ブログ担当)
3. OSNらいぶらり文庫の紹介
ブランド王国 スイスの秘密 磯山友幸著 日経BP社
ヨーロッパの小国スイスには、世界的に有名なブランド企業があらゆる分野に存在します。どの企業も成功にはちゃんとした理由があるのです。新聞の経済欄にはほとんど目を通さない(通したくない)主婦の私でも読みやすい文体です。しかもスイスの政治のこともちょっと学べます。ただ、スイス企業を相当な贔屓目で見て、日本の企業をめった切りにしているのが気になりますが・・・。 【GM】
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武器を持たない戦士たち H.M.エンツェンスベルガー編 小山千早訳、新評論
(本体2400円)
「赤十字」のマークをみると、スイスの旗に似ているなあと思う。 スイスで「赤十字」が生まれたのは、永世中立の国、民主主義の国なのだから、もっともだと説明も聞かずになぜか納得していた。でも、億単位の予算を抱えながら世界中で人道的活動を行うコンツェルンへと発達した「国際赤十字」の活動内容については本当にこの本を読むまであまりにも知らなかったとしかいいようがない。
ソルフェリーノの思い出について語る第1章(アンリ・デュナン著)、アンリ・デュナンそして赤十字の始まりについて述べる第2章。 第2次世界大戦末期捕虜収容所に乗り込んで英雄的な活躍をしたのにもかかわらずなぜか本部からは冷遇されつづけたルイ・ヘフリガーの姿を追う第3章。赤十字国際委員会、連盟、そして各国赤十字社・赤新月社それぞれの生い立ち、ありかた、連携の仕方について歴史的・多面的にとらえた第4章。ある派遣員の回想録〜レバノンとソマリアでの実際の仕事のルポルタージュが第5章。そして最後にソマリアを始めとして世界の戦地で前人未踏の業績をあげたある派遣員についての考察が第6章。
単に歴史的に時系列でできごとを叙述するのでなく、筆者の異なる短い章を連ねることで、赤十字の多面的な姿が浮き彫りにされる。 赤十字もやはり人間のつくった組織であったと気づかされながらもあらゆる困難を乗り越えて難しい、そして気高い仕事を成し続けている、そのことへの感嘆が呼び覚まされる、そんな本だ。 小山さん、こんなすごい本を訳してくださってありがとうございました。 【KY】
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4. 「ピーターと狼」日本語版初演のご案内、および協賛・ご寄付のお願い
9月14日(日)11時開演予定の「ピーターと狼」日本語版初演のご案内を差し上げます。
ヴィオラ奏者の神谷未夏さんが参加している、ヴィンタートゥール八重奏団(Kammerphilharmonie Winterthur)は、日本の音楽プロダクションLEGAREから招聘を受け、9月26日から7回、関東、北海道をまわるジャパンツアーを行います。今年創立10周年を迎えるこの楽団は、若手ながらスイスの音楽界で、確固たる地位を築いているオクテット(八重奏)です。2003年以降、毎年夏に強化合宿を行い、寝食を共にしながら新しいレパートリーに取り組み、「その類まれな信頼と友好に溢れるアンサンブルは、聴く者の心を打つ」とスイス 内外で高い評価を得ています。
ロッシーニのウィリアムテル序曲をはじめとした、親しみやすい楽曲を組みこんだ「子供も大人も皆で楽しめるコンサート」に、ここ数年力を入れている当楽団ですが、今回のプログラムのハイライトは、プロコフィエフの「ピーターと狼」。NHKテレビ番組「世界ふれあい街歩き」のテーマ曲、また「プロ フェッショナル仕事の流儀」の挿入曲の作曲などで活躍している村井秀清氏が、オーケストラ版の「ピーターと狼」を、この八重奏団のために特別にアレン ジしたものです。これまで、スイスドイツ語での語りを取り入れたり、舞台女優を語りに起用するなど、様々な試みに挑戦し、毎回好評を博しています。9月26日(金)、逗子文化プラザなぎさホールでの公演は、八重奏版「ピーターと狼」の日本初演となります。
ジャパンツアーにさきがけ、きたる9月7日と14日、「ピーターと狼」シリーズの演奏会を、チューリッヒ州Winterthurで催します。7日はド イツ語版、14日は野嶋篤氏を語りに迎えて、日本語版の公演となります。つまりこの2008年9月14日(日)が、日本語による「ピーターと狼」八重奏版の本当の意味での初演となります。是非この記念すべき公演をお聴きのがしなく。座席に限りがございますので、チケットのお申し込みはお早めに。
【神谷未夏さんのコメント】
以前OSNNLにコメントを寄せた時のメンバーから一人交代がありましたが 私のこのアンサンブルに関する思いは変わらず 本当に親戚のような、深い信頼と思いやりを持ち合う仲間たちです。子供も大人も楽しめる名曲を、私達の8つの楽器がひとつになったアンサンブルと 野嶋さんオリジナルの、音楽にマッチした日本語の語り でお楽しみいただきたいと思っています。
「ピーターと狼」日本語版初演
【日時】
2008年9月14日(日)
11:00開演 (開場10:30 終了12:30予定)
【場所】
Altes Stadthaus Winterthur, Marktgasse 53
ヴィンタートゥール八重奏団(Kammerphilharmonie Winterthur)
【語り】
野嶋 篤
【チケット】
大人20フラン、 こども(16歳まで)10フラン
チケット申し込み:ticket@ruegg.com
【参考・プロフィール】
ヴィンタートゥール八重奏団(Kammerphilharmonie Winterthur)
http://www.kammerphilharmonie-winterthur.ch/kammerphilharmonie.shtml
【語り: 野嶋 篤】
スイスと日本を結ぶ生活情報・交流誌『グリエツィ』編集人、ルツェルン日本語学校教師
【協賛・ご寄付のお願い】
今後スイス各地で、日本語版「ピーターと狼」の公演を行なえればと願っています。ここスイスにいながら、日本語の語りで「ピーターと狼」を楽しめる機会があることを、是非お知らせしたく、チューリッヒ近郊のみならず、スイス各地にご連絡を差し上げています。子供たちにクラシック音楽を、そしてプロ の生演奏を身近に感じて体験してほしいということで、100席前後の小規模の会場での公演が主体となります。入場料も抑えて設定してゆきたいとおもいます。ただそうしますとチケット収入だけでは出演料、会場費、諸経費をまかなうことは困難です。「クラシック音楽を身近に、子供も大人も皆で楽しめるコンサート」という趣旨にご賛同いただきたき、ご寄付もあわせてお願い申し上げる次第です。
個人:一口100フランより(一口あたり親子ペア券を進呈)
法人:一口200フランより(演奏会配布プログラムノートに法人名を記載)
※ご検討いただき、ご賛同くださる方は下記【問い合わせ先】へ、9月5日までにご連絡くださいませ。
【問い合わせ先】
ヴィンタートゥール八重奏団
広報PR担当 ルエグ木原さやか
ticket@ruegg.com
TEL : 056-470-1371
FAX : 056-470-1372
5. 心暖まるエピソード
今日は対岸のドイツの飛行船で有名な街Friedrichshafenフリードリッヒスハーフェンにフェリーで渡って来ました。片道45分です。ある街角で20歳くらいのドイツ人の音大生らしき女性二人がバイオリンとチェロのデュエットをやっていました。一人の小さな女の子が前に座って心打たれたという感じで聴き入っていましたが、その音楽によって変化する表情に僕の心が打たれてしまいました。
あどけない小さな子の表情が映画の中の名女優のごとく変化していく姿に音楽の偉大さを感じさせられました。この子の魂の奥深くひそんだ遠い過去の記憶が音楽の波に揺らされた、そんな瞬間ではなかったかと思います。この子の両親もこんな表情は今まで見たことがないに違いありません。
この子がいつの日にか楽器を始めたら必ず素晴らしい音楽家になると確信します。なぜなら音楽は感情を表現する芸術だからです。この見知らぬ出会いに感謝いっぱいです。やはりカメラをいつも持ち歩くのは大切ですね。犬も歩けば棒に当たる、これです。
木元 大
6. 日本語初級講座のお知らせ
日本語初級講座1
【教師】 ケラー ゆかり
【コース日程】 2008年9月2日(火)ー2009年1月13日(火)
【時間・場所】 夜7時半から9時半まで、トイフェン村中学校にて
【費用】 345フラン(教材費をのぞく)
【教科書】 Japanisch im Sauseschritt 1
【連絡・問い合わせ先】
ケラー ゆかり
yukari@pinboard.com
Tel.071-330-0166
または下記↓
Weiterbildung Appenzeller Mittellandの事務室まで
Japanish 1 fuer Anfaenger mit Yukari Keller in Teufen, Sekundarshulhaus
ab Dienstag, 02. Sept.2008,
19.30-21.00Uhr bis 13. Jan. 2009 (15Mal)
Kosten Fr.345.--exkl.Lehrmittel
Lehrmittel: Japanisch im Sauseschritt 1
Weiterbildung Appenzeller Mittelland AR Sekretariat,
Trogenerstrasse 5a, 9042 Speicher
sekretariat@webmittelland.ch
www.webmittelland.ch